中島の鉄道ブログ

九州内の鉄道、主に駅巡りなどを中心としたブログです。 ご覧いただきありがとうございます。

2015年08月

熊本市のシンボルでもある名城熊本城。
その周辺には、各鉄道会社の路線が走っています。
今回は、熊本城をバックに、地域性を出した熊本らしい鉄道写真を
アップしてみました。
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 九州新幹線 800系 (熊本市西区)
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 熊本電気鉄道 01系 (熊本市北区)
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熊本市交通局 1090形  (熊本市中央区)


肥薩線駅巡りは、宮崎県えびの市の真幸駅から、鹿児島県姶良郡湧水町の吉松駅に
入ります。
今までのレトロな駅舎から比べると、一転して昭和の国鉄時代の駅舎のイメージを
色濃く残す一般的な建物になっています。
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                                 現在の駅舎は開業以来二代目で昭和43年に落成しました。
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 向こうは真幸方面。東側(画像右側)には
吉松駅と都城駅を結ぶ吉都線が合流しています。
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 かつては交通の要衝でもあったため
  ローカルとしては広く、2面4線の立派な島式ホームがあります。
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 駅の待合室はなんと畳敷き。丸い小さなちゃぶ台が何とも言えません。
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駅の南側には、大正二年十月八日吉都線全線開業百周年記念碑と
明治三十六年九月五日吉松駅開業百周年記念碑           
その隣にはSL8620形機関車の動輪があり
               左側の小さい石碑には肥薩鐡道開通記念碑と刻まれていました。              

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 鉄道の歴史のある駅らしく、記念碑がある駅の反対側には、鉄道の資料館もあり 
吉松駅の歴史や鉄道に関する資料や写真などが展示されています。                                      
右側の建物は産業遺産にも指定されている石倉(燃料庫)です。
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鉄道の資料館の内部 
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資料館の横には、かつてこの地を走っていたC55形 52号機も展示されています。

今回の肥薩線の駅巡りは、ひとまずここで終わりますが
この吉松駅から更に観光特急列車「はやとの風」に乗って
大隅横川駅や嘉例川駅などを経由して
 鹿児島中央駅を目指す列車の旅もまた楽しいかもしれません。


関連記事「SLコレクション C55形 52号機」
http://nakasimacollection.blog.jp/archives/285611.html

矢岳第一トンネルを過ぎると視界が開けて、日本三大車窓のひとつでもある
霧島連山とえびの高原の雄大な景色を眺めながら、まもなく真幸駅に到着します。
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ここもまた難所のため、スイッチバックの駅になっています。
     真幸駅は肥薩線の中で唯一宮崎県内にある駅です。
                     肥後と薩摩を結ぶから肥薩線なのですが、                  
     ちょっとだけ日向の国(宮崎県えびの市)を通るわけですね。            
      ちなみに真幸駅は宮崎県で最初にできた駅でもあります。             
    日豊線よりも宮崎駅よりも早かったというのは意外に思えるかもしれませんが
       調べてみると、真幸駅 開業1911年 宮崎駅 開業1913年となっていました。
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 入り口の横には田の神様祀られている 開業当時の古い駅舎です。
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ホームには真の幸せに入るということで、幸せの鐘があります。
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ちょっと幸せの方は一回
もっと幸せを願う方は二回
いっぱい幸せの方は三回鳴らしてください。
とあります。
ここは10回くらいガンガンと鳴らしたいところですが、(笑)
あんまり欲張ると幸せも来ないかもしれないので
慎ましく一回だけ鳴らしました。
静かな山里に鐘の音が響きます。
幸せ来るかなぁ(^^ゞ           
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ホーム側にも田の神様、タノカンサァーがいらっしゃいます。
田の神様を石に刻み豊作を祈願するという
宮崎県の一部と鹿児島県に見られる独特の農耕文化ですが
ここのは、なかなかカラフルですね。
ちょっとほのぼのとした気分になって
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幸せそうなカップルに見送られながら
   「いさぶろう」号は次の吉松駅に向かいます。        


大畑駅からループ線を登ってきた「いさぶろう」号は、
肥薩線で最も高い位置にある、標高536.9mの矢岳駅に到着しました。
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静かな山間にあるレトロな雰囲気の駅舎で
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明治42年建設当時のまま、何か時代がそのまま止まっているような気さえします。
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ここでも数分間停車します。
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列車を降りた乗客たちのお目当ては、この先にある人吉市SL展示館です。
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ここには蒸気機関車D51形170号機が展示されているのです。
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かつてこの肥薩線山線の難所を何度も往復したSLで
集煙装置や重油タンクを装備した特別仕様になっています。
ちなみに現在走っているSL人吉8620形58654号機も
1988年に現役復帰するまで、この横に並んで展示されていました。
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さすがに保存状態は良好のようです。
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再び乗客たちを乗せて矢岳駅を出発した「いさぶろう号」は
肥薩線で最も長いトンネルである矢岳第一トンネルへ入って行きます。
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1908年、幾多の難工事の末、開通したもので
それぞれのトンネルの坑口の上には
縦1メートル、横2メートルの石額があり
トンネル北側は、当時の逓信大臣 山縣伊三郎の揮毫で
「天險若夷」(てんけんじゃくい)
南側には当時の鉄道院総裁 後藤新平の揮毫で
「引重致遠」(いんじゅうちえん)と書かれています。

このふたつの言葉をつなげて読むと
「天下の難所を(トンネルによって)平地であるかのようにしたおかげで、
重い貨物を遠くへ運ぶことが出来る」
という意味になっています。

JR九州がこの路線で観光列車を運行する際、二人に敬意を表して
北側から入る下り列車を「いさぶろう」号
南側から入る上り列車を「しんぺい」号と名付けました。

次回真幸駅に続く

関連記事 「SLコレクション D51形170号機」
http://nakasimacollection.blog.jp/archives/285437.html

人吉駅を出発して連続した急な勾配を登り、次に着くのが大畑駅です。
日本で唯一ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅で、
この周辺の地形がいかに険しいかを物語っています。
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駅の待合室には名刺がずらりと張られています。
ここに名刺を張ると立身出世できるとかで、壁一面名刺だらけです
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ホームにはSL時代の遺産ともいうべき湧水盆が残っています。
煤で真っ黒になった顔や手をここで洗っていました。
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こちらはそのSLに水を入れるための給水塔
当時はこの上に鉄製の水槽が備えられていて
ここで水を補給し、さらに矢岳方面へと登っていました。
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中は石組みの立派な造りで
駅舎や湧水盆と共に近代化産業遺産に認定されています。
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人吉方面から「いさぶろう」号がやってきました。
地元の方々の歓迎を受けた後
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やがてホームを出発した「いさぶろう」号は
画面奥のスイッチバックの引き込み線に向かいます。
その後、また戻ってきて上の線路に移り
大きな円を描くループ線を矢岳駅方面に登って行きました。

次回矢岳駅に続く

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